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高血圧の改善
高血圧の危険性
日本でもっとも患者数が多い生活習慣病は高血圧です。推定患者数は4300万人にものぼり、30歳以上の過半数が高血圧というほど身近な病気です。
ところが高血圧には自覚症状がほとんどないため、放置している人が多く、その結果、重大な病気をまねくことが少なくありません。日本人の死亡原因の第2位と第3位は心疾患と脳血管疾患ですが、その大きな要因が高血圧なのです。
食塩さえ少なくすれば、おいしい日本食は世界で最も健康な食事であり、食塩摂取量が少ないと、年を取っても、血圧は上がらないと言われています。
また、低脂肪、豊富な魚介類や大豆製品は良いが、高食塩、野菜不足、多量飲酒は好ましくないと言われています。
日本人の死亡の原因
「平成29年(2017)人口動態統計(確定数)」(厚労省)によると、日本人の死亡原因のトップ5は以下のようになります。
1位は「悪性新生物(ガン)」、
2位が「心疾患(心臓)」、
3位が「脳血管疾患」、
4位が「老衰」、
5位が「肺炎」となっています。
「肺炎」が3位から5位に下がり、「脳血管疾患」と「老衰」の順位が上がりました。
2位、3位は血管に起因するもので、高血圧に原因があります。
高血圧の状態を放置していると、動脈硬化を促進し、脳卒中や心疾患、あるいは慢性腎臓病などの重大な病気につながります。
とりわけ最近の研究から、脳卒中は男女を問わず高血圧の影響が大きいことが明確になっています。
脳卒中
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など高血圧によって最もリスクが高くなるのが、脳卒中です。
収縮期血圧(最高血圧)が10mmHg上昇すると、脳卒中のリスクが男性で約20%、女性で約15%高くなります。
脳卒中は命が助かっても、運動障害や言語障害が残りやすく、長期のリハビリが必要となることも少なくありません。
心疾患
心筋梗塞、狭心症など
高血圧は、心疾患のリスクも高めます。
特に、男性の場合は影響が大きく、収縮期血圧が10mmHg高くなると、心筋梗塞や狭心症の危険度が約15%も増加します。
慢性腎臓病
血圧が高いと腎臓にも大きな負担がかかり、血液中の過剰な塩分などの排泄がうまくいかず、さらに血圧が上昇する悪循環を起こしやすくなります。慢性腎臓病を起こすと、脳卒中や心筋梗塞による死亡率も高くなることがわかっています。
◎身体活動のポイント
体が硬い中高年は動脈も硬いので、いつでもどこでも身近にできる適度な運動を10分間程度でもいいから続けてやることです。
■「良い運動」の例:
ウオーキング、適度のストレッチ、おしゃべりしながら楽しく走れるスロージョギング、買い物などの生活活動など。
■「悪い運動」の例:
過激な筋トレ、重労働など。 ← ← 「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。
血管の老化
高血圧は血管壁への圧力が高い状態です。
そのため血管壁にダメージを与えることになります。
最高血圧が115から20上がるごとに、心血管死亡は2倍ずつ増えると言われています。
塩分の過剰摂取や睡眠障害で夜間に血圧が下がらない高齢者や、血圧が早朝に上がりすぎる人は、脳卒中が起きやすくなります。
高血圧に糖尿病、喫煙が重なると、血管は内皮細胞に障害が起き、硬くなるなど、老化が進みます。内皮細胞を活性化させると、突然死、脳卒中、心筋梗塞を防ぐことができます。
血管壁全体が厚く、硬くなった血管でも、内皮細胞のケアを行うことで、元の健康な血管に戻ることが出来ます。
この血管老化を防ぐために、自治医大循環器内科医の苅尾七臣教授は、減塩、栄養摂取、減量、運動、節酒、禁煙を列挙しました。
そして、栄養バランスの良い「日本型食生活」を勧めました。
血圧はどうして決まるの?
血圧は血管の「硬さ、太さ、長さ」によって、決まります。
血管の3様態は、硬さ、太さ、長さです。長さは決まっていますが、硬さと太さは変化します。血圧=(硬さ)×(太さ)×(長さ)
Ⅰ. 血管の壁が硬いと血圧が上がります。
老化とは、糖がコラーゲン繊維に付着して皮膚が硬くなり伸縮困難になる現象です。シワができます。老化すると血管が硬くなります。
糖が皮膚ではなく血管に付着したときは動脈硬化症状となります。
Ⅱ.血管が狭いと血圧が上がります。
血管狭窄の原因は、コレステロールの付着が挙げられます。
それ以外にも、血管が何らかの理由(睡眠不足、ビタミン不足)で傷ついたら、血小板や白血球が傷口を塞いだりバイキンの侵入を防ぎます。細胞の死骸が溜まってくるとそれによって血管が狭くなります。
特にビタミンB12が不足すると、ホモシステインというアミノ酸の一種が溜まって、血管がボロボロになります。これが血管狭窄の主な原因です。
◆ビタミンB12は、魚介類、肉類、海藻類に多量に含まれています。
必要摂取量:成人(18歳~)男子・女子推奨量:共に2.4μg/1日。
例:食品100g当たりのビタミンB12の含有量(単位:μg)は以下の通り。
◎しじみ 62.4 ◎味付けのり 58.1 ◎ 焼きのり 57.6
◎すじこ 53.9 ◎牛レバー(肝臓) 52.8 ◎あさり 52.4
◎ほっき貝 47.5 ◎いくら 47.3 etc.
Ⅲ.血管が長いと血液が血管を押す力が強くなり、血圧が上がります。
Ⅳ.その他の原因
酸性体質
酸性体質になると、血液中の酸素が吸収されにくくなり、心臓が血液を全身に送り出そうとして一生懸命に働きます。それが血圧の上昇となります。
酸性体質は、糖分の高い偏った食事によって糖が体内に余り、体が乳酸化することによって起こります。
インスリン抵抗性
必要なエネルギー以上に糖を体内に摂取することにより起こります。
これは交感神経と副交感神経のバランスを崩壊させます。
ビタミンB12 の効能
貧血予防
ビタミンB12は葉酸(ビタミンM)と協力して、赤血球の生成にかかわってます。
ビタミンB12は赤血球の中の核酸(DNA)の合成に必要な葉酸の働きを助ける補酵素の
役割を担います。
どちらが不足しても、赤血球の減少、異常に大きな赤血球の生成などを招いて、悪性貧血
(巨赤芽球性貧血)を引き起こしてしまいます。
悪性貧血の症状は、頭痛、めまい、吐き気、動悸、息切れ、舌の痛み、味覚の低下、食欲不振、
消化不良、下痢などです。
ビタミンB12の吸収では胃から分泌される内因子と呼ばれる物質を必要とします。
胃の切除や、胃炎などによる粘膜異常で、内因子が分泌されなくなると、ビタミンB12が腸
で吸収されなくなってしまいます。
悪性貧血ですが、昔はなかなか治らない病気だったのでついた名前で、いまでは葉酸やビ
タミンB12を補給すれば、すぐによくなる病気です。
精神を安定させる
ビタミンB12には神経細胞の核酸や、たんぱく質、脂質の合成を補助、修復して、精神の
安定、集中力、記憶力を向上させる働きがあります。
不足すると、イライラや、無気力、集中力、記憶力の低下などを招きます。
さらにひどくなると、運動神経機能の低下、手足のしびれ、痛みなどの末梢神経系の症状
まで出てきます。
(出典 By:http://vitamine.jp/bita/bitab12.html )
ビタミンB12 を多く含んでいる食品 [#p2ef30d9]
*魚介類、肉類、海藻類に多量に含まれ、特に、貝類に多く含まれています。
野菜や豆類にはほとんど含まれていません。
● 食品100g当たりのビタミンB12の含有量 (単位:μg)
≪成人男子推奨量:2.4μg 、 成人女子推奨量:2.4μg (1日当たり)≫
魚類 | 魚介類 | 海藻類 | 肉類 |
---|---|---|---|
煮干し 41.3 | ◎しじみ 62.4 | ◎味付けのり 58.1 | ◎牛レバー(肝臓) 52.8 |
あんこうのきも 39.1 | ◎すじこ 53.9 | ◎ 焼きのり 57.6 | 鶏レバー(肝臓) 44.4 |
いわし(丸干) 29.3 | ◎あさり 52.4 | あおのり(乾) 31.8 | 豚レバー(肝臓) 25.2 |
いわし(油漬) 18.0 | ほっき貝 47.5 | 牛肉(小腸) 20.5 | |
さんま 17.7 | いくら 47.3 | 牛はつ(心臓) 12.1 | |
にしん 17.4 | はまぐりの佃煮 45.4 | ||
たたみいわし 15.6 | はまぐり 28.4 | ||
かつおぶし 14.8 | かき 28.1 | ||
めざし 14.6 | たらこ 23.3 | ||
いわし(みりん干)13.7 | いかの塩辛 16.7 | ||
あさりの佃煮 14.5 | |||
ほたるいか 14.0 | |||
しゃこ 12.9 | |||
するめ 12.3 | |||
ほたて(ひも付) 11.4 | |||
めんたいこ 11.3 |
高血圧の改善方法
* 高血圧下げる「福辻式」高い血圧を健康レベルに下げるための対策
カロリーの少ないものを食べる。野菜をたくさん食べる。
天ぷら、とんかつ、コロッケなど、揚げ物は控えめにする。
毎日納豆を食べる。
一日一度はワカメやコンブなどの海草を食べる。
1食当たり500Kcal 以下にする。
週に3日ほど、1日30分程度のウォーキングやスロージョギングなどをする。
中性脂肪減少に良いとされる、カテキン入りのお茶を毎日飲む。
グレープフルーツ、ギャバ、アスパラガスなど、血圧を適正にコントロールする作用がある。
グレープフルーツは、その中に含まれるペクチンという食物繊維が、コレステロール値、
血糖値の低下や便秘・下痢の解消効果として働きます。
アスパラガスは血圧のほか、ストレス、睡眠障害、認知症などにも改善効果が高いという
ことが2015年度に発見されました。(アスパラルチン)
りんごを食べる。りんごに含まれるカリウム、食物繊維が降圧の助けになる。
代表的な降圧食品はセロリ。
セロリの独自の成分で匂いの元になっている「3-n-ブチフラタライド」という成分が降圧作用がある。
ニンニク、タマネギ、ラッキョウ、などのネギ類は血液をサラサラにする。
高血圧になると血栓を溶かす力が落ちる。
青魚。魚の脂肪は血圧を下げる効果がある。
リノール酸は魚の油を帳消しにしてしまう可能性があるので、サラダ油は控えめにする。オリーブ油を使う。
高麗人参、フランス海岸松、なども血圧の安定に大変有効な健康食品です。
基本は減塩。それだけで血圧が下げられる人もいる。
高血圧によって痛んだ血管にはやはり塩分過多は良くない。出汁、酢、香辛料などで味付けの工夫をする。
カリウム、マグネシウム、カルシウムなどと言ったミネラル分は大切。
特にカリウムは細胞内のナトリウム(塩分)排泄には重要な働きがある。
青菜のおひたし。ほうれん草や小松菜など。
ゆですぎるとカリウムが溶け出すのでサッと茹でるか、電子レンジを利用。洗った葉をぬれたままラップで包みチンするだけ。
果物では、りんご、バナナ、柿、スイカ。
キノコ類や大豆類、海藻類も血圧の安定には良い。
牛乳(できれば低脂肪)、スキムミルク、カッテージチーズ、魚類、卵白、牡蠣などの良質の蛋白質の摂取も重要。
注意事項
* 高血圧で一番恐いのは血管に対する影響ですからコレステロールや高脂肪には気をつけましょう。
* アルコールやコーヒーはできるだけ制限します。
* 米飯や小麦粉を使った製品は食べ過ぎに注意です。腹八分が良い。
* サプリメントや高血圧の人向けのドリンク類もたくさん出ていますが効果は一時的なものが多いので、普段の生活習慣(睡眠不足・運動不足など)や食品、調味料の見直しが重要です。
* 高血圧は「他の病気を引き起こす原因」になりますので要注意です!!